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系図でみる近現代 第35回

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テレビドラマ相関図


第35回 創業一族・藤井家三世代社長の終焉、
      少年の日の良き思い出 「不二家」。そして、・・ (07.3.9記)


創業家社長の終焉


2007年1月10日、不二家埼玉工場で
消費期限切れ原料の使用が発覚、
他にも、ずさんな商品管理が相次いで露呈した。

「50年以上愛されてきたペコちゃんを傷つけた」と、
創業家の藤井林太郎6代目社長が引責辞任し、取締役からも退任。


そして、藤井家以外から初めて、
桜井康文取締役が7代目社長に就任した。


この不祥事の背景には、同族経営が、
品質管理などで、基準を守らない内向きの体質を醸成、
内部統制に甘さがあったとの批判を踏まえ、

経営刷新として、残る創業家出身役員二人、
藤井正郎藤井義郎の兄弟(双子)を含む
桜井社長以外の5人の取締役全員が、
6月の株主総会で退任する見通しとなった。



不二家の時間


子供の頃の良き思い出・・・


日曜夜7時から、「タケダ、タケダ、タケダ〜」で始まる武田薬品提供、
「タケダアワー」に、胸ときめかせた。
ウルトラQに恐怖し、ウルトラマンキャプテンウルトラ・・等、に心おどらせた。

7時半からは、不二家提供「不二家の時間」、
ポパイオバケのQ太郎パーマン怪物くん・・等、を楽しんだ。

それが終わると、「赤とんぼ」のBGMにのせて、寂しげな、
週刊新潮は明日発売で〜す」というジングルが流れ、8時からは、

哀愁を帯びた人情ドラマ、渥美清の「泣いてたまるか」が始まった。
♪意地が涙を・・・泣いて、泣いてたまるかよ〜〜、通せんぼ〜♪

(渥美清が亡くなった時、追悼番組は、“寅さん”一色で、
このドラマにほとんど触れていなかったのは、不満だった。)


ものごころつき出した頃には、日曜のさわやかな朝に、
ラジオから、はりのある声で、ロイ・ジェームス司会、
不二家歌謡ベストテンが、流れていた。

当時は、親しみやすい曲も多く、
この番組で、その週のヒット曲を把握できた。


そして、番組とともに、不二家のCM・商品が、頭にたたきこまれた。


♪ミルキーはママの味〜♪、
ルックチョコレート、ノースキャロライナ、
「ピーチかオレンジかどっちがええですかいの〜」不二家ネクター
ユーミン♪やさしさに〜つつまれたなら〜♪ ソフトエクレア・・・等々。











藤井家6代社長の変遷不二家の歴史


◆創業者藤井林右衛門は、明治18年、愛知県の農家・岩田林七の末っ子に生まれ、
4歳の頃、近所の藤井家の養子となり、10歳で名古屋の商店に奉公。

明治33年横浜の銅鉄商に働き、主人の商売を譲り受け34年独立。

不二家を創業したのは明治43(1910)年。
横浜市元町に不二家洋菓子舗を構えたのが最初である。

大正元年渡米、1年間洋菓子や料理の技術を学んで帰国。
大正12年には東京・銀座にも進出、次いで大阪、京都とチェーン店を広げた。

昭和13年キャンディー、チョコレートを量産、株式会社に改組して社長。

昭和14年以降、日本を取り巻く戦況が深刻になる中、
贅沢菓子などの禁止令が実施され、さらに空襲によって支店や工場が次々と焼失。


最初の妻・まさとの間に六男二女をもうけていたが、
三男は病没し、他の息子は出征、または召集がかかり、
残ったのは、病身で経営の第一線から既に退いていた長男・善一郎のみであった。



◆終戦後、社業を立て直すのは容易な事ではなかった。
昭和23年、林右衛門は会長に退き、
次男藤井誠司が2代目社長に就任。


しばらくは苦しい再建の日々が続いたが、
昭和26年、不二家再興と、その後の繁栄を決定付ける商品が世に出た。
翌年には、全国発売、そして大ヒットとなる。

それは、ミルキー
赤い箱には、ペコちゃんが描かれていた。

社長の誠司が日劇の舞台に並べてあった動物の張子をヒントに
作成した首振り人形ペコちゃんは、あっという間に
子供たちのアイドルになった。


昭和37年には、株式を公開、それに伴い、翌年の長者番付トップ10に、
藤井四兄弟が、揃い踏み。(トップは松下幸之助)


◆その後、昭和44年、3代目社長に四男藤井総四郎が就任。
(2006年8月、世界バリバリ★バリューでその邸宅が紹介された)

昭和60年、4代目社長に六男藤井和郎と続いた。

五男藤井五郎は、歯に衣着せぬ物言いで、
“カミソリ五郎”と言われるような切れ者で、
総四郎とぶつかる事も多かった。
兄弟の中で、古くから林右衛門の右腕と言われ、
最も経営手腕を買われ、次期社長と目されていたが、
社長にならずに、会長となった。


しかし、この間の昭和57年、“最後の相場師”是川銀蔵による株買占め、
その後、仕手集団ビデオセラーに株が渡り、昭和61年、
米国の弁護士からビデオセラー保有株を米企業に売却するとの連絡が届き、
藤井家は約750億円もの資金を捻出して、株買戻しを余儀なくされた。


◆この時の資金工面での貢献、及び、
大株主となった銀行・生保との太いパイプから、
必然的に、藤井俊一(五郎の長男)が平成元年、5代目社長に就いた。
社長は創業者の孫の代に、世代交代した。

俊一は父・五郎と同様、能力主義による人材登用など、
脱・同族経営を目指し、実行した。


しかし、平成3年、五郎が亡くなり、その4年後の
平成7年3月期の決算で経常赤字に転落する事が明らかになると、
任期途中での社長解任、取締役への降格となった。


◆6代目社長には、今回の問題で辞任した藤井林太郎(誠司の長男)が就任、
3代目社長の総四郎が、“最高顧問”となり、取締役会に出席するようになった。

そして、平成15(2003)年、総四郎の息子二人が取締役に選任された。


(※この一連の解任劇に関しては、日経ビジネス2007年1月29日号
「不祥事の根源は12年前の1月23日にあり 不二家、諦めと停滞の果て」に詳しい。
検索すれば、ほぼそのままの文章が、いくつかのブログで読めるようです・・)


林太郎は元社長たちの意に沿うように、
ひたすら赤字削減のために邁進し、大規模な合理化に着手した。

この頃から、同族経営の弊害が目につくようになり、
社内の人心も荒廃していったという。


林太郎社長は雑誌「VALUE CREATOR」2006年10月号のインタビューで、

伝統を受け継ぎ、企業文化として保持していくために大切な事は、との問いに


「それは、お客さま第一、品質第一ということです。お客さまを裏切らない事です。
不二家の社是は
『愛と誠心(まごころ)と感謝をこめて、お客さまに愛される不二家になりましょう』
と、『品質第一』の二つです。」

と強調していたのだが。



そして、山崎製パン(ヤマザキ)


苦境に陥った不二家に、2月初旬、
品質管理の技術支援で名乗りを上げたのが山崎製パン

その後、製販提携、そして、1/3超えの資本出資を決め、
筆頭株主に躍り出る見通しとなった。


株式銘柄コード2211が不二家(東証上場 昭和37年6月)、
続く2212が山崎製パン(東証上場 昭和37年7月)

主力は、前者が洋菓子、後者がパン。
今でこそ、パン食は当たり前となったが、元々は洋食。

すなわち、どちらも「欧米か!」という共通点がある。



そして、実は他にも、共通点があった。


それは、同族経営・・・



(次回第36回へ続く)





Google
 
Web 「系図でみる近現代」
「近現代・系図ワールド」


[07年3/27日経]

山崎製パンと不二家は26日、山崎製パンが不二家に35%を出資して傘下に収め、
代表取締役を含む半数の取締役も派遣することなどを骨子とした資本・業務提携を発表した。
不二家は同日、創業家出身の二取締役の辞任も発表。
1910年の創業以来百年近い歴史を持つ不二家は品質問題を端緒に、
山崎製パンによる資本増強と半数の経営陣を受け入れ同グループの会社として再出発する。


資本・業務提携の骨子

資本

・山崎製パンが不二家の約160億円の第三者割当増資を引き受け35%を出資
・不二家は山崎製パンの持ち分法適用会社に

経営体制

・山崎製パンが不二家に代表取締役と社外取締役各1人を含む6人の取締役と監査役1人を派遣

事業

・両社製品の相互販売及び相互OEM供給
・共同プロモーションを展開
・販売拠点を共同開発
・物流の共同化



●不二家・藤井家系図
藤井林右衛門
(りんえもん)
1885〜1968/不二家創業者・初代社長/
藤井善一郎 長男/不二家監査役
藤井誠司 次男/2代社長
藤井総四郎 四男/3代社長
藤井五郎 五男/会長
藤井和郎 六男/4代社長
藤井林太郎 6代社長
藤井正郎 取締役
藤井義郎 取締役
原口由美 レストラン経営クラブニュクス
◆関連本
「世界バリバリ☆バリュー」発、女性セレブ社長20人のドラマチック・ストーリー! 成功★美学
藤井俊一 5代社長、ネスレジャパン相談役、会長/
不二家時代、スイスのネスレとの合弁によるチョコレート菓子展開を担当取締役として導く。
ネスレグループに経営手腕を認められ、日本人として初めてネスレ日本のトップに就任。
藤井隆三 不二家フードサービス社長
長谷川和二彦
(わにひこ)
日本製粉会長、社長






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●参考文献
「現代財界家系譜」
・日経ビジネス2007年1月29日号
「不祥事の根源は12年前の1月23日にあり 不二家、諦めと停滞の果て」
・週刊新潮2007年2月1日号
「御家騒動もあった不二家 藤井家の100年」
・週刊ポスト2007年2月2日号
「不二家 華麗なる一族の甘さにネズミと細菌が群がるまで」
・VALUE CREATOR 2006年10月号「インタビュー老舗の経営」
 
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